Business 事業概要
イー・ギャランティはどんな会社?
リスクを引き受けてほしい企業と
リスクを引き受けて収益を得たい企業をつなぐ「市場」
イー・ギャランティの強みは、その独自の金融ビジネスモデルからきています。
イー・ギャランティは様々な企業からリスクを引き受ける一方で、引き受けたリスクを細分化してファンド・金融機関に流動化しています。イー・ギャランティはリスクを引き受けてほしい企業とリスクを引き受けて収益を上げたい企業が集まる市場のような仕組みになっており、参加者が年々増加して保証残高は国内最大となっています。
イー・ギャランティは、リスクを引き受けてほしい企業に対しては、期日に代金が支払われない債務不履行の保証という、企業間取引における信用リスクのヘッジを行っています。また、リスクを引き受けて収益を得たい企業に対しては、リスクを分散・小口化して引き受けてもらうリスクの流動化を行っています。
イー・ギャランティは、年間30万社、保証残高1兆円を超える企業の信用リスクを保証する過程で多くの企業情報が集まり、国内最大規模の企業に関するデータを保有しています。私たちはこの情報を統計化して活用し、高い審査力、分析力を有しています。
この高い審査力・分析力を背景にリスクを引き受けて収益を上げたい企業が集まりリスクの流動化が可能となっています。このリスク流動化の過程においてリスクは細分化され分散されるので、高額リスクの引受や低コストでのリスク引受が可能となり、私たちのサービスの大きな強みとなっているのです。
イー・ギャランティは、適正なリスク評価とリスク分散が可能となるネットワークが整備され,リスクの売り手、買い手が集まり、適正な価格で取引される信用リスクの市場のような仕組みとなっています。
国内最大規模の企業間取引情報ビッグデータ
リスクの取り扱い量としては残高ベースで1兆円を超える規模である私たちには、企業を保証する過程で多くの企業の情報が集まる仕組みになっています。保証設定中の約20万社についての取引情報や支払遅延情報の把握に加え、年間約30万社の企業の直近1年以内の支払遅延情報を把握しているような状況です。また、月間約3万社の企業審査を行い、支払状況に関する情報、取引関係にある企業の情報、支払条件、またこれらの変動状況など多岐にわたる独自情報も日々蓄積しています。
また、企業審査を行うたびに、また契約者からの情報提供をうけるたびに日々蓄積されていくビッグデータは1日あたり260万項目以上にも及びます。これらの情報を組み合わせ、データマイニング手法で統計化したものを活用し、類似企業の倒産実績を分析して倒産確率を算出してリスク量算定に用いています。
自社の経営資源にこだわらず強力な販売パートナーとともに事業を展開
イー・ギャランティは、引き受けたリスクは自社で保有せずファンドなどに流動化するとともに、リスクをヘッジしたい顧客企業と接点を持つ過程でも、自社の販売網だけではなく、販売パートナーとタッグを組んで販売網を展開しています。販売パートナーは有力地方銀行をはじめ、証券会社、信用金庫などで、年間1万社を超える企業に保証という商品を紹介する機会を得ています。そして、その企業の多くは今すぐでなくとも、今後何年かのうちに、私たちのサービスを使う潜在的なお客様になっていただいています。
多くの販売パートナーは、それぞれの顧客企業の本業に貢献できるサービスを提案することで顧客企業との関係強化を実現しており、イー・ギャランティはその一部で活用されています。
イー・ギャランティの事業は
なぜ実現できたのか
イー・ギャランティの事業がなぜ実現できたのか、なぜ以前は存在しなかったのか。そんな質問を多くいただきます。それは、2000年以降発生した、金融の自由化、IT化、グローバル化という3つの社会変化がかかわっています。当時の日本の金融は、銀行以外の金融事業も金融商品取引法などでその役割が明確化され、新規参入できる環境が整った状況にありました。また、国内だけでなく海外の投資家にリスクヘッジすることが可能になり、十分なリスクの説明ができれば、国内の金融機関が抱えきれないリスクもヘッジして引き受けができるようになりました。そして何よりIT化が進んだことで、ビッグデータの収集そしてマイニング手法による分析が数億円のシステム投資で可能になったのです。これらが担保によらないリアルタイムの動的審査を可能にして、新しい金融の萌芽となりました。
新しい金融ビジネスのスタート、
それは総合商社としての発想から始まった
イー・ギャランティは、総合商社である伊藤忠商事の社内ベンチャー企業として2000年に生まれました。
総合商社は、卸売業と違って生産設備を持たず、例えばラーメンから航空機までありとあらゆるものに関して売り手と買い手を結び付けてトレードします。
顧客のニーズに対し既存の仕組みで対応できなければ、複数の商品を組み合わせたり、ときには海外企業に製造ノウハウを伝達し希望する商品を作れる体制整備まで行って、顧客のニーズにこたえています。
このような総合商社と同じ発想をもとに、2000年頃はまだ発展途上であった金融分野において、『これまでにない金融を生みたい』という思いで、イー・ギャランティは生まれました。
「商社が複数の商品を組み合わせるように、様々なリスクの引受け手のリスク許容力を組み合わせ、積み上げて大きなリスク引受を実現しよう。」
「リスクを引受けられる体制がなければ、ファンドを作成し、小さなリスクしか引き受けられない海外金融機関等もリスク引受へ参加できるようにしよう。またときには、蓄積される企業情報のビッグデータを分析してリスク引受け手に示せば、リスク引受けのノウハウをが伝達されてリスクの引受け量を増やせるだろうし、死差益は算出できても企業の倒産率はわからない生命保険会社のような企業も、新たなリスク引受け手となることもできるだろう。」
このように、金融分野で総合商社のように既存の仕組みにとらわれずに顧客のニーズにこたえていく、そのような発想のもとにイー・ギャランティはスタートしました。
事業領域は売掛債権の保証にとどまらない
イー・ギャランティの事業領域は「企業の信用リスクの受託及び流動化事業」。よく言われる、売掛債権の保証会社ではありません。売掛債権の保証は最大の収益の柱になっていますが、事業開始時は金融債権の保証から始まっており、今も多様な信用リスクの引受を行っています。
今後、私たちは企業間取引のリスク量の総額である企業間信用約215兆円に加えて、貸し出しなどの間接金融約491兆円、さらに社債や株式などの破綻リスクのヘッジを取り込むことで直接金融約251兆円の分野もその対象としたいと考えています。このような裾野の広いリスク受託事業は多くの場合、自社の体力によってその引受力に制限を受けます。その点においても流動化という機能は、その制限を広げる手法になりうると考えています。国内をはじめ海外も視野に入れるともに、企業間信用以外の分野も視野に入れ事業を拡大してまいります。