Column コラム
手形が廃止される?廃止時期と影響について
手形(てがた)は、約350年にわたって日本の商取引において利用されてきた支払い手段の一つです。しかし、近年は電子決済やクレジットカードなどの普及により、手形の利用は減少傾向にあります。また、手形による不正や未払いなどのトラブルも多発しています。
経済産業省は、企業間の支払いに使う紙の約束手形について2026年をめどに廃止する方針を示しました。
廃止の理由としては、以下のようなものが挙げられます。
・約束手形の利用が減少傾向にある
支払手形の発行残高は1990年度の約107兆円をピークに減少傾向で、近年は約25兆円となりました。
・支払サイト(支払期日までの期間)の短縮を進めたいため
支払サイト(支払期日までの期間)を短くしていくためには約束手形よりも支払サイトの短い決済手段(銀行振込)への切り替えが進められるべきとされています。
そのほか、手形による不正や未払いの問題、手形の取り扱いにかかるコストや手間の問題が挙げられます。
廃止に伴い支払方法を振込とする場合、売り手は、手形が持つ保証や信用力の代わりに、取引相手の信用情報をより詳しく調査する必要があります。また、手形から現金に支払方法が変更されると、手形の場合は期日に支払わなければ不渡りというペナルティがある一方、現金の場合は期日に支払わなくてもそのようなペナルティがないため不払いリスクが発生します。