Column コラム

2026年10月20日

取引信用保険とは?仕組みとメリット・デメリットを整理して解説

掛け取引に潜むリスク

 企業間取引では、商品やサービスを先に提供し、代金を後日受け取る「掛け取引」が広く行われています。取引を円滑に進めるうえで欠かせない商慣習ですが、掛け取引では、納品から入金までの間、売り手企業は取引先に対する売掛金を抱えることになります。この間に取引先の経営状態が悪化し、支払いが滞ったり倒産したりすると、売掛金の一部または全部を回収できなくなる可能性があります。
 特に中小企業では、一社の取引先の貸倒れが資金繰りに大きく影響する場合があります。また、取引先が倒産した場合、その影響が連鎖的に広がる「連鎖倒産」に至った事例もあります。取引先の信用状況を日頃から把握し、万一に備えておくことは、安定した経営を続けるうえで重要な視点といえます。

取引信用保険とは

 取引信用保険とは、取引先の倒産や支払不能などによって売掛金などの債権が回収できなくなった場合に、保険金が支払われる仕組みです。保険会社が貸倒れによる損失を補填することで、資金繰りや財務への影響を抑える一助となります。
 一般的には、契約時に取引先ごとの上限額(限度額)が設定され、その範囲内で損失が補填されます。補填割合や対象となる事由は、商品や特約によって異なります。
次の項目では、取引信用保険にはどのようなメリットとデメリットについて、順にご紹介します。

取引信用保険のメリット

  • 貸倒れ損失の軽減 : 取引先が倒産しても、補填を受けられることで、運転資金の急な不足を避けやすくなります。特に、売上に占める特定の取引先の割合が高い企業にとっては、心強い備えとなる場合があります。
  • 財務の安定化 : 貸倒れによる損失は予測が難しく、業績の見通しを狂わせる要因になります。あらかじめ備えておくことで、損失の振れ幅を抑え、計画的な経営判断をしやすくなります。
  • 取引機会の拡大 : 信用情報が乏しい新規の取引先に対しても、保険を活用することで、取引に踏み出しやすくなる場合があります。販路拡大の場面で活用される例もあります。
  • 与信管理の補助 : 取引先ごとに審査が行われるため、その結果を自社の与信判断の参考にできる場合があります。社内に与信管理の専任担当者が少ない企業にとっては、補助的な情報源となり得ます。

取引信用保険のデメリット・留意点

  • 取引先ごとに保険をかけるか選べない : 取引信用保険の場合は、取引全体をまとめて対象とする設計が多いとされ、特定の取引先だけを保険に掛けたい企業は、心配していない取引先まで保険をかける必要があります。
  • 損失全額が補填されるわけではない : 多くの取引信用保険契約では、縮小割合が80%~95%に設定されており、損失の全額が補填されず、一部の損失は自社で負う必要があります。

※縮小割合とはもとの状態や損害額などに対して、一定の比率で補填を減らす割合を指します。例:縮小割合が80%の場合は損害額の80%までしか補填されません。

このように、取引信用保険だと、取引先1社だけを保険にかけたいときや、完全に貸し倒れリスクをヘッジしたい場合には、不十分なケースがあります。そのような場合は「売掛債権保証」がおすすめです。

売掛債権保証とは? 取引信用保険との違い

取引先の倒産リスクへの備え方は、取引信用保険だけではありません。その一つが「売掛債権保証」です。売掛債権保証とは、取引先が倒産して入金がない場合などに、保証会社が保証金をお支払いする仕組みです。
ここまでは取引信用保険と似ていますが、大きな違いは、売掛債権保証では対象の範囲を1社から選択できる点です。先ほどのデメリットでも記載したとおり、取引信用保険では、一定の包括性が求められます。一方、売掛債権保証では、1社からの保証が可能です。
さらに、売掛債権保証の場合は縮小割合を100%に設定することが可能です。完全にリスクをヘッジすることで安心して取引を継続・拡大することができます。

イー・ギャランティの売掛債権保証サービスの特徴

取引先1社1社の保証料率を確認できる

取引信用保険の場合は、契約全体の保証料率のみ提示される場合が多いです。一方で、イー・ギャランティの保証サービスは、取引先1社1社の保証料率を確認することができます。当社は独自のビッグデータを基に年間56万社の企業を審査し、倒産確率を算出しています。その倒産確率に一定の倍数(※)を掛けて保証料率を設定するため、1社ごとに保証料率が確認できます。お客様は、保証契約の前に取引先ごとの保証料率を確認できるため、取引先のリスクを確認したうえでどの取引先を保証対象とするか選択することができます。
(※)ご契約内容によって異なります。

オーダーメイドな保証契約の設計が可能

当社の保証契約は、様々な特約を付帯することでお客様に合わせたオーダーメイドな設計が可能です。例えば、入金が遅れただけでも保証金をお支払いする特約や、請負債権を保証の対象に含める特約などがあり、9割以上のお客様が特約を付帯した契約となっています。

当社のサービスにご関心をお持ちいただけましたら、お気軽にご相談ください。